Fuji to Higanzakura

料理簡易記録、ときどき、?

1年ひとまわり

今年も母方の親戚から、実家に山のきのこが送られてきた。たまたま私が帰る日だったので、父から電話がかかってき「今日は何時にくる?」「今日遅い、夜10時」「うーん、おばさんからきのこ来たんだけど。いいやお前にやってもらおう」とか言っていたのに…

タマゴタケ とうもろこし ももは大久保(はもうない)

きのこは秋のものと思い込んでいて、夏の間は失念してしまいずっと出会い損ねてきたタマゴタケ。桃農家さんまで桃を買いに峠越えをした途中で、キノコの季節だけ営業するほったて小屋のきのこやさんが開いているのを発見。たまごたけも発見。 きれいな赤で、…

欲しいガジェット ライン的文字チャットができる糸電話

欲しいけど、ないものなので、忘れないようにメモ代わりに。 イメージは、糸電話か、トランシーバーなのだが、やりとりするのは声のかわりに文字。つまり、同じ空間で近い位置で対面している状態で、ラインのようなことができるガジェット(おもちゃ) 子ど…

にんじんきらい 

「にんじんきらい」と言わせてもらえるとき、こどもみたいな気持ちになってちょっとうれしい。シチューとか煮物に、他の野菜とも一緒に入っているにんじんはなぜか特に。「こどもか!」と共にいる人に笑ってもらえそうな状況なら、ちょっと避けさせてもらっ…

タコのない正月なんて

1年前の1月4日の日付でスマホに入っていた写真。毎年、正月になると庭の水仙を母は活けていたけれど、1年前は、ごはんの際に起きてきて機嫌(と容体)がいいと軽口をたたく程度で、正月の水仙のことを母は自分から思い出すことはなかった。昼間寝て、夜眠っ…

正しさの追求でなく 在宅介護

訪問介護の方は、対象者さんが亡くなった後は、家族が連絡をするまで黙って待っていてくれる。葬儀数日後に「パッケージをあけていない介護グッズ類を貰っていただけませんか」と問い合わせたら、いただきますと快く言ってくれて、お花を持ってお線香をあげ…

Life must go on

小春日和の、発つのにこれ以上望めないようなお天気の日に、母は出ていった。 生活は続く。 脊椎管狭窄症による手の痛みとしびれなどはもう何年も前からで、家事は以前から少しずつ母から父の方に移っていて、動けて話もできた最後の夏は三食の用意もすべて…

デビューの幸先は上々です

着るものは、葬儀社も、きれいな白装束を持ってきてくれて、なんだ、そう心配しなくてもよかったんだ、そうだよね、みんな悩むところは同じという経験知があるんだね、と感心したけれど、せっかく用意してあったので、引き出しから二部式着物一式を取り出し…

なんでもいい、けどそれはダメ

寝付いたばかりの頃、母の母(祖母)が寝付いた時と自分のこの心臓は同じだと言っていた。秋に新婚旅行から戻ってきたら、おかあちゃ(祖母)が寝付いており、そのままちょうど1年で逝った、と。(母も秋に寝付いて1年だった。)リビングの葬儀パンフを見てお…

紫からどこにいく?

赤ちゃんの頃の火傷で足が悪かったので、小さい頃から、一人で身をたてさせることを考えてお茶とお華に通わされたそうだ。家が裕福だったわけではないので、お稽古事としてではなく、将来の職業を見込んで。年頃になって、お嬢様のお稽古事として他の娘さん…

行き違いでなく

義兄が掃除してくれた奥の座敷で湯灌と納棺をした。義兄は窓まで拭いてくれてあった。もうずっと物置になっていたけれど、本当は家で一番格があった部屋。広くて明るい部屋で、お風呂に入って着替えさせてもらって棺に入った。 10日くらい前から、父が塀の…

間歇泉

昭和時代の母娘関係なんて、きれいごとでは済まない。その時々の怒りやらや悔しさやら、ちゃんと覚えておいた方がボケないかな、それとも、そこだけ覚えてるとボケるかな。 まぁどうでもいいや。 寂しいはある。悲しいはない。間歇泉発作が時々ある。ああ自…

母と添い寝する方法

ドライアイスのお兄さんが来たとき、母の身体はまだほんのりあたたかかった。 母ベッドと並んで奥に介護者のベッドがあるのを見て、「誰かここで休まれるんですか?」と聞くので、「はい、私が」と答えたら「寝ない方がいいですよ。ドライアイスで二酸化炭素…

綺麗でびっくりしたってよ

介護士の方が、訪問診察をずっとしてくれていたお医者さんに連絡をとってくれ、先生が来て宣告をいただいた。(在宅看取りの場合は救急車を呼んだりして別のお医者さんからの死亡診断になると警察介入になって大変らしい。) 苦しそうな気配が微塵もない綺麗…

時は選ばれていたのかな こちらの納得とは別に

姉は、ちょっととぼけている、というか、人騒がせというか、職業柄6桁の値段のスーツとかが仕事着なのだが、そんなスーツにも平気で食べ物をこぼすし、隣で義兄が、あーまたー、とやいやい面倒を見ている、そんなのが日常図のような人で。 母寝室には、母の…

ピンクがお似合い

介護士の方が、母親から、経鼻栄養チューブ、酸素チューブ、尿カテーテルを全部外してくれた。父は、なにやら母に語りかけていた。いつも突然で人騒がせな人ですね、このくらいの面倒は気にしなくてもいいのに、とか。 そういえば、こんなにチューブにつなが…

虎と蘭とでなく、蘭だけが発った

実家の賀状は、毎年、父親が温室の蘭を写真に撮って印刷していた。今年の蘭写真はない。切り花で玄関にあったものも、何度かふっと思ってはやめて自分も撮ってない。 喪中用の葉書を買いにいった父が、「(郵便局で)こんなのがありますよ、と出してくれたけ…

人と牛と蘭に通底するもの(4)

先の記事で、蘭は全滅した、と書いたが、正確には数鉢だけサバイブして花を咲かせた。全部を切り花にして父はそれを家に持ち混んだ。温室の中は、それで全き廃墟になった。 切った蘭の花を、水に挿してくれと言われ、花瓶に挿した。母寝室に花を欠かさずに活…

人と牛と蘭に通底するもの(3)

「摘便とお花見」や「在宅無限大」など、在宅ケアについて現象学的アプローチをされている村上靖彦氏の「ケアとは何か」を、ふとポチして購入し、つらつら読んでいる。 ALSで筋力が衰えて<からだ>をまったく動かすこともできなくなる「閉じ込め症候群」に…

人と牛と蘭に通底するもの(2)

私や姉などは、母が、こんなのをちょっと食べたとか、お花をじっと見てた、といった次元で母とコンタクトし(ようとし)ていた。 母は、アンデルセン童話かなにかにある、歓待をうけて10枚重ねのふかふか布団で休んだお姫さまが、朝、ぜんぜん眠れなかった…

人と牛と蘭に通底するもの(1)

母が脳梗塞になって意思疎通がほとんどとれなくなる以前、心不全はすでに末期で、寝付いていたけれど、室内トイレを入れても母はかたくなにそれは使わずトイレまで歩いていった。だんだんとベッドから起きてトイレまで歩くにしても人の助けがいるようになっ…

万霊節の日に

母が逝った。万霊節の日に。 2週ほどか、少し熱が続いていて、反応レベルの水準は下がっていたし、舌も喉奥に落ち込んでいた。でも、家に戻ってきたばかりの頃もそうだったところから、母なりのレベルでちゃんと覚醒して良くなったからね。血液検査の感染症…

ガーベラ三姉妹のご先祖さま

母部屋用の花を買いに行き、母が、父はガーベラ好きなんだと言っていた覚えがあったので、パステルなガーベラ三姉妹をお持ち帰りした。母の実家が商売屋だったためお店はオープンスペースで気楽にいろんな人たちが遊びに来ていた家だったそうだが、父もよく…

幻のバラ もののけ感あります ジプシーキュリオーサ

ジプシーキュリオーサというのだそうです。いただきもの。1本でも大変高価らしいです。「きっと好きだろうと思って」、と。ええ、これはズギュンです。 開花しても枝を切って出荷せずに、植わったままの状態で咲かせ続けると、咲きたては普通のピンクベージ…

彼岸の名残の萩

昔子供の頃に遊んでもらったご夫婦らのご近所のおうち群は、今はのきなみ空き家になっている。帰省したときも、空き家になったおうちのお庭をのぞきこむことはあまりせずにいたけれど、柵から枝が飛び出していた。秋の名残の萩。花がしおれずについている最…

散る花降る花

師走に入院し「この心不全の状態では今帰ったらすぐにもどうなるかわかりませんよ」と医師に言われても「別にもう治ることはないんだから家に帰る」と言い切って自主退院し、家に来た見舞いの友人たちや訪問介護の人たちに、母は武勇伝のように繰り返しそれ…

花も団子も

先週のムラサキシキブ。水をあまりあげないので、わりとすぐ葉っぱはしおれてしまうのだけど、葉っぱをとって実だけに。 気位高いけど一人でがんばるのは苦手で美味しいものは食べたがる。自分が物心ついたころからの母への認識。今や同じですけどむすめら二…

お茶袋の掌のせ 介護まめ知識?

今週の母部屋花 ムラサキシキブ 先のキノコ記事の翌々日、実家に行ったら母方親戚からキノコが届いていた。キノコの引き寄せ能力お高いかも自分。いや母の能力か。 先に写真を撮り忘れたサクラシメジはこんなん。 お味噌汁にしたら、父が「うまいねこれ」と…

ひとまわりしてきのこの季節

そういえば、昨年秋に母が寝付いて食欲もないとのことで、実家に行ったらちょうど山のキノコが届いて、料理したらどこが食欲ないんですか、というほどよく食べていたのだった。季節一回り。 山のきのこを食すのは母から伝授されたけど、母はコウタケは食べた…

花のヒートショック療法

もうずっと使わずに埃をかぶっていた母の三面鏡の鏡台、母が使うことももうないけれど。埃を拭いて母寝室の部屋に活けたお花の残りとかを置いてみる。寝たきりでもずっと綺麗でいられるかな、というおまじないに。 今週の母寝室のお花は、ディープピンクのり…