Fuji to Higanzakura

料理簡易記録、ときどき、?

行き違いでなく

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義兄が掃除してくれた奥の座敷で湯灌と納棺をした。義兄は窓まで拭いてくれてあった。もうずっと物置になっていたけれど、本当は家で一番格があった部屋。広くて明るい部屋で、お風呂に入って着替えさせてもらって棺に入った。

 10日くらい前から、父が塀の外にある白い小菊が咲きそうだ(咲いたら母寝室に活けたらいい)と気にかけていた。今年はいつもべったりつくアブラムシも全然ついてないし、地植えの小菊は、茎の下半分くらいの葉っぱが縮れて見栄えが悪くなってしまうものだが(お散歩中に小菊が咲いてたらみてみてね)、葉っぱも下までやけにきれいだ、と言っていた。蕾は大きくなってくるとピンクになった。ぱぱさん白じゃないよピンクだよ。咲き出したのは母と1日行き違い。いや、行き違いでなく、このタイミングで降りてきた。

 寝室のレンタル介護ベッドは、納棺と同じ日に返納の連絡をするとすぐに回収に来た。流れでその他の有象無象の介護グッズをかたづけた。母が部屋を移動した日、寝室は父一人の寝室になった。 

ピンクの小菊を、天袋付近に並べた2つの花瓶に活けた。しばらくして行ってみると、その一つが、母に見えるようにかけていた入口の障子の桟に移っていた。