Fuji to Higanzakura

料理簡易記録、ときどき、?

きのこによばれる 

 食べ物の引きは強いんです。多分。

この秋は、地元からちょっとだけガンバって出かけた先の峠道の傍で、時期になると出現する掘立小屋の、山の民ですか?みたいなご家族が採ってきてくれる山採れきのこやさんに行くのも面倒で、ディープ系きのこは食べず仕舞いで終わらせるつもりでいたのですが。コロナでしばらくご無沙汰していたお家からお呼びがかかって行ったら行った先はむしろ海に近いというのに、そこに山のきのこのお届けが!わお。きのこに追いかけられた。

料理ならするする。だからお暇するのはそれ食べてからにするよ!

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松茸!自分じゃきのこやさんに行っても買わないけどね。もらう分にははしゃぎます。

傘が開いちゃったおっきいのは松茸ごはん。形のいいちっこいのはグリルで焼きます。

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炊き込みご飯、松茸山ほど入れちゃうよ。

グリル焼き。

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おうちの主人に上手に3等分してね、と言われた。

外国の人は軍隊生活の靴下の匂いとか言って嫌がる場合もあると聞いていますが、パルメジャーノチーズの匂いだってかなり微妙だと思ふです。でも好きでしょ。靴下のかほりにもダイブするがよい。

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というわけで、マツタケごはん。ふははは感ありますもったいぶらずに松茸入ってる松茸ごはんには。

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イクチ。山のきのこの類は、食べて美味しーというめくるめく体験をしたことがなかったら触るのもハードル高いと思ふ。美味しい記憶は気持ち悪いを超えるのです。

イクチは味噌汁がいいの。食感は生レバー。

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お出汁は優しい煮干し出汁とかでなくちょっとストロングな二番出汁。上品な一番だしでなく、二番だしのかつぶしをちょっとグラグラさせちゃうくらいのお出汁がいい。一緒に入れるミョウガもこのときは多少煮込む系。美味しいというより、うまーい系。

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通好みのくろかわ。おしょうにんとも言う。

にがーいきのこ。茹でて大根おろしに醤油でいただきます。

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クセになる薬膳です。くろかわは。

higanzakura109.hatenablog.com

 胃やら内臓疲れてても(疲れてるほど?)滲みる系。

くろかわはうっすら塩味のお水にしばらくつけて虫抜きします。この行程を見たことなく知らずに食べて好物になってしまう前にいきなりこの作業をするとトラウマになるかもね(笑)。詳しい描写は語りませぬ。仲間を作りたかったら最初は、何も言わず料理してご馳走してあげなきゃダメなの。他の山のきのこでも。バンパイアの仲間づくり的? 鬼滅にしろコロナ殺菌にしろ、今の流れにちょっとだけ逆行めいている。

松茸だって濡らしたフキンで拭く作業をどこで止めるかは微妙なのです。きれいにしちゃうとダメだからね! 料理を待ってる奥様は「マツタケは洗うと離縁されるのよ。」とか言ってる。松茸みる度に言う(笑)

けっこう現代人的には、どっかの古い脳みそ感覚に人工的にスイッチ入れる作業かも。自分はあまり現代人ではないかもだけど。生理的にこれはダメってところにも少し耐えてみる感覚あって滅菌じゃない。そもそもきのこが菌だけど。

なんというかですね、こう、ちょっとだけ毒を盛ってるような醍醐味があります。山採れきのこ料理。自分はやる気はないけど、採る人は、もはやどんな感覚なんでしょね。

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食欲が全然ないというから様子見のお見舞いに行ったところに、たまたまきのこが届いてきのこづくし膳。食欲なかったんじゃないのか? みなさま完食でよございました。

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残りはジャーで保存するよりおにぎりにした方が美味しいよね。

もらってきちゃって夜食。堪能しました。ごちそうさまでした。