サメさんのしんぞう le coeur du requin ルクールデュルカン
ピエール•エルメ氏の代表作ケーキのイスファハン。バラとライチの香りのフランボワーズマカロンケーキ。でも私が初めていただいた当時は、そのケーキの名前は、le coeur d'Ispahan (ルクールディスファハン)だった。coeur は英語のheartにあたるから、心とか心臓。
トルコの後宮の中で儚く散った薄幸の美姫、そんな詩情(といえば聞こえがいいがそんな妄想)が口の中で勝手に広がったことに驚いたが、そんな自律的妄想体験がお菓子とはいえ食べ物とくっついて味覚と香りから立ち上がる生生しさ、いただいて消費していることそのこと自体からも来る、気がついたら否応なく参加型にされていた、紋きり型とはいえその妄想物語の悲劇イメージの循環は、心とかハートとかいう抽象では足らぬ。私が食べたものの名は、イスファハンの心臓、です。
で、本日は、サメさんのしんぞう。お魚屋さんが、本日のお刺身イチオシって言うんだも。ショウガをつけておくけどおすすめは塩とごま油でだよ、って。
こ、これはですね、つまり、トロントロンな馬刺です。塩とごま油っ!ありがとう魚屋さん!
どれだけ血臭いんだろうかと勝手に畏れてさっぱり系チマチマ総菜作ったけど。
もやし油なしナムル。つまり塩とお酢で蒸し煮。
きゅうりわかめポン酢。グレープフル−ツ入り。
ちまちま総菜どうでもよござんす。やぁ飲んじゃえ。心臓万歳。
きゅうりとホタルイカの炒めもの
きゅうりとイカの炒めものだったら、迷いなくショウガ風味の塩味なんだけど。ホタルイカは内臓も一緒だから味が濃いので負けない味付けがいりそう。みそと卵黄と芥子なんてどうだろう、と思ったが、冷凍庫保存の残りもの卵白がこれ以上増えるのがやだったのでそれは諦めて、豆豉醤。お酒で緩めて使う。お酢も加え、最後に醤油を鍋肌で焦がして芳ばしくすればもったりしない。食感に変化欲しくて蓮根入り。
鶏さんのうど皮油和え
ローストチキンをほぐしておいたものをうど皮油ウド祭り④ うど皮油/ウドピクルスのタルタルきゅうりカナッペ/うどのチーズ焼き/湯煮サバうどピクルスのタルタル添え/ - Fuji to Higanzakuraであえたん。レモン汁も少し。
うど皮油は、作り立ての熱いときより、冷蔵庫保存で落ち着いたら、うど皮風味が復活していた。普段はねぎ油で和えるわけだけれど、ねぎ油よりも中華中華な風味でなく上品。ごきげん。蒸し鶏や、ゆでささみでもよいと思う。隣の青みは三つ葉。
お生麩の揚げ出し風
家人が京都からお土産に生麩を持って帰ってきた。まずは生をわさび醤油でいただくべしとのことで、自ら切ってくれる。美味しくいただく。
日にちが経ったらグリルなどで加熱してください、だそうな。
少し日が経ってしまった生麩。適当に切って、醤油と油をまわして、片栗粉をまぶし、キッチンホイルの上に並べてグリルで焼く。鶏もも肉なんかだと、粉をまぶしてグリル焼きのやり方で内からジュワジュワ脂を出して自ら唐揚げ風になってくれたりもするけれど、生麩は油をまぶしただけではそうはならず、美味しそうな焦げ目はつくけれど粉は吹いたままだが気にしない。焼くとお餅みたいに膨らむのがちょっと楽しい。
みりんなども少し入った甘みのある醤油味のお出汁(今回は出汁醤油とお水)を鍋で温め片栗粉でとろみをつける。
焼いた生麩の上からお出汁のあんをかけ大根おろしに千切り酢漬けしょうが。七味。(写真はおかず的に欲張って青菜のゆがいたものを下に敷いているが、お生麩の揚げ出し風とうれしくなるには、なくても十分。)
かぼちゃ煮使い回しサラダ
かぼちゃを煮たときに。かぼちゃ煮 - Fuji to Higanzakura
そういえば今回は黒砂糖じゃなくてオリゴ糖シロップ少しだったが。まぁ日本のかぼちゃは美味しいので加糖ほとんどしなくてもこっくり。
一部をとりわけて。つぶして。ゆで卵もつぶして。つなぎに油分少し(マヨネーズでも水切りヨグルトでも、ネギ油でも。今回はネギ油。)で、かぼちゃサラダ。
かぼちゃサラダサンドは、断面が黄色くてちょっとテンションがあがる。
さばのリエット アーモンド入り
さばのリエット。サバのリエット - Fuji to Higanzakura
今回はグリルしたスライスアーモンドとくこの実入りヴァージョン。アーモンドが入ると、さらにさばの脂がストレートにこなくていいみたい。アーモンド味がするわけではないけれど。いずれにせよ一晩以上冷蔵庫で寝かせた方が美味しい。
玄米ごはんとお海苔で。ごはんでも、玄米ごはんとなら肴になる。ちゃんとおにぎらずにしてカットすれば良いのだけどまぁ、力抜き感も味のうち。
塩麹豚さんでプティサレ 根菜ポトフ
以前住んでいたところでは、塩豚さんはお肉やさんとかスーパーのお肉コーナーに置かれていた。塩豚自体をプティサレと言ったり、それを使ったポトフもプティサレと言ったり。これにさらに、鴨のコンフィーなんかを入れちゃうとガルビュール。ええ、すごい旨味のスープ。見目よくはならない満足度の高い家庭料理の類い。この手のポトフは美味しいのだけど、市販塩豚のお味が好みでないことが多かった。塩と多分グラニュー糖と他にもなんかしらをすりこんで少し熟成させたもののようだが、どうもポトフにすると食感はまだお肉なのに安いハムみたいなお味。というわけで塩麹をぬりこんで作ってしまう塩豚。
豚さん塊肉に塩麹をぬりこんでラップできちっと包み三日以上冷蔵庫氷温室放置。それだけなんだけども。
プティサレのポトフは根菜との組み合わせがいいの。潔くカブさんだけみたいなのが。今回はカブさんはなかったけれど、大根、コールラビ、蓮根、ごぼう。ざっと洗った塩麹豚の塊肉と一緒に入れて、キッチンペーパーなどで落とし蓋してことこと。塩の調整。
添えているのは、ハーブペーストバジルのサルサヴェルデでふろふき大根 - Fuji to Higanzakura (バジルの季節後は春菊とかルッコラとかになっているけれど)とマスタードを合わせたもの。でもマスタードだけでも。