おやすみおしまい
当地で日本の方達が例外なく持ってた本。バスク愛の強い方によるバル紹介。夜は混み混み状態大変で、私は夜は戦線離脱作戦をとって、突撃した連れから部屋で話をきくのを楽しんでいたけれど、昼過ぎなどの少し落ち着いている時間に行くにしても、注文の仕方とか店によってちょっとずつ違ったりなどなかなかハードルが高そうなのだけど、一度えらい混み混みの中に飛び込んでサバイブすると、入りにくいなぁという気後れはすっかりなくなるみたいです。気後れのなくなった人に便乗しながらの昼下がりのバル巡りを、美味しいとこどりという。
乗り継ぎの待ち時間が長かったので、電車で出て少し町歩きなぞ。おらんだ。ポプラ、マロニエの綺麗な季節。
パンケーキというにはおこがましいようなペッチャリのっぺりしてるおらんだのパンネクックをいただかないことには。フランスのクレープみたいに、生地を馴染ませるのに一晩おくなんてこともしないかわりにとにかく素朴で飽きない。粉糖とか精製してない砂糖の黒いシロップで。これはガイド本にのってるような、クリームや果物添えて豪華にもなっちゃうパンケーキ屋さんでではなく、場末みたいなカフェで食べたい。ちょっとフライパンの油の匂いもついちゃってるみたいなのがいいの。
以前、くるくると巻いちゃうのがお約束と知った時はちょっとびっくりしたものです。カフェオレは、ガラスの器サーブ。
うちについて裏林の散歩しておやすみおしまい。
名知らず。牡丹芍薬のお仲間っぽいけれど。
追記:名はヤマシャクヤク (多分)
カフェオレのガラスカップサーブ分布図が気になる
カフェコンレチェ(カフェオレ)頼むと私たちにはカップで出てくるのだけど、地元風の人はガラスカップで飲んでいて、違うものとも思えない。日本人は疑問に思うみたいでネット上に説明が上がってたりする。こちらの人はあえて「エムヴァッソ」(ガラスで)と頼んでるのだとか。猫舌さんが多いから冷めるのが早くていい説、など。猫舌じゃないけど頼んでみる。おおガラスカップで出てきました。
ちなみにベルギー、ルクセンブルクとかはカフェオレはレルッスといって(なぜかその意味はロシアミルク)ガラスコップでのサーブがデフォルト。ついでにフランスではカフェメニューにカフェオレはない(注:下記コメント欄)。ミルク入り頼みたかったらカプチーノイタリアンかカフェ頼んでミルクを別添えでつけてもらう(だけどこのミルクが常温保存用加工品だったりするので悲しくなったりする)。カフェはなんだかんだでカッコつけるパブリックな場なのでカフェオレボウルで朝、家でパンをしょびしょび浸してたべるための飲み物はカフェメニューとしてシックじゃないってことでないのでは、という妄想仮説を持つに至った(注:下記コメント欄)。フランスから見たら田舎とされる国では、それでも美味しいし外でも飲みたいしちゃんと素直になろうよ、ということかどうかはわかんないけど、カフェでも飲めるけど、それでフランスにまた田舎ものだからねって思われるのもなんだし、カフェオレボウルで飲むようなあなたのお国のカフェオレじゃないんだからねということで名前をロシアミルクにしちゃって、さらにあえてガラスコップでサーブしてるのかなとか思ってたけど(全部妄想仮説)(注:下記コメント欄)、スペインみたいなパタンは、まだ妄想仮説が降りてきません。
猫舌だから説は上がっていたけど、ガラスで頼んでるおばさま方みると、やっぱり重い陶器カップよりガラスで飲むのが軽やかよね、ということも感じてそうな気配もあるのだけれど。猫舌だからという卑下説明にしておいて、カッコつけの欲望は前面には出さないでおくのかな、スペイン女性は、とかぐるぐる思い巡らせてみる。
でもどこで飲んでもカフェコンレチェがしっかり美味しくて嬉しい。
追記:とても丁寧で詳しいコメントをいただきました。もしこの記事を読んでくださった方がいたら、是非コメント欄も併せて読んでいただけると嬉しいです。
ステーキは飲み物です
ステーキ専門のバルもある。大人気。二人単位が基本で名前言ってお酒頼んで飲みながら名前呼ばれるまで外で待つ。空きっ腹で飲むことになって危険なので昨日同様「よいとき」のお世話に。名前呼ばれてカウンターに立つと、本気にでっかい生のステーキ肉2塊を見せてくれて「小と中どっち?」って言われるので頼む。「小」といってもどうみても600グラムはありそうとくれば「中」はいわんやおや。どっち頼んだかは内緒。隣のアメリカ人カップルは「小」頼んでた。トマトとピモンテ(獅子唐風ピーマン)は?と聞かれるのでお願いする。赤いトマトの生はウリ臭くて苦手と思っていたけど、いがらっぽくて青臭くて辛いスペインもの独特のオリーブオイルがたっぷりかかってて美味しい。
獅子唐グリルもにがにがで嬉しい(これは夏までらし)。
加工肉とかクリームやチーズの内臓負担に比べれば、ステーキはお腹に優しい飲み物です。ビタミンさえとれてる気がする。ほんとだったら。
コーヒーは?といわれたけれど、まだ待ってる人がいたのでお勘定。でもホントはここで、昨日知ったご当地リキュール「パチャランある?」なんてちょっと言ってみたかった。
ご機嫌のあまりイカレタ服を買う。どこで着るのというごもっともなツッコミが。プーランク歌う時とか。とか。
スピノサスモモのお酒とか
フランス側に国境越えしたら晴れていた。あったかくて緩む。リネン屋まわって今時のモダン柄はどうもなーとアンティーク屋まで行って古いフレンチバスク布を買っていた。私じゃなくて布好きの連れが。
フランスに行ったら同じバスク地方でもバル文化ではなくガッツリなレストランとカフェ文化になる。最近はカフェでサラダメニューも増えてツーリストの内臓にもだいぶ優しくなったけど、食べに来たならちゃんとうちの皿と向き合ってって、みたいな田舎料理レストランは、身体へのリスクは高いというか、はっきりいって身体には全然優しくないけど、格闘技的な喜びがある。サービスは、いかに快楽として食事と闘わさせてくれるかという技術。
美味しい田舎料理レストランの鮮度のいい均質でないパテとの出会いはいつだってうれしい。でも加工肉品は内臓体力をステーキなんかよりもよほどガツンと奪ってくる。
メインはイカさんのイカ墨煮込み。看板メニューで美味しかったけれど秀逸だったのはもう一つ、前菜メニューにあったのをメインとして頼んだピペラードオムレツ。
取り分けた状態で崩れてますが。上にのってるのはバイエンヌハムの焼いたやつだがそれはともかく、ピペラードはフレンチバスクのラタトゥイユみたいなものだけれど、このお店のは使ってるピーマンものが赤パプリカとかでなく、緑の獅子唐系で、トマトも赤みが強くなくて緑がかってる種類。甘重くなくて、獅子唐系の苦味が絶妙に活かされてて好み。オヤジさんの何気ない説明に「!」と思って頼んでよかった。
デザートはフラン。カスタードプリンですがお腹一杯の隙間に入る。スペイン側で同じレベルの田舎レストランだと同じようなプリンは往々にして卵黄比率が高すぎて重いのでデザートで頼むと罰ゲームになったりする。バスク地方はでも、とんがった前菜突き出し料理系のバル文化になってるからフランも違うかもだけど怖くてまだトライしてない。
店側の自信作にさりげなくのれておいしくてご機嫌になってるような、こういうときに往々にしてちょっと通じ合えた食べっぷりのいい客にご褒美的にでてくる店側からのサービスディジェスティフ。アルコールには弱いので、調節しながらおおなんとか無事に切り抜けた、と油断しているところにやって来る強いアルコール。たいていお手製だったり地元の美味しいやつだったりする。これもなんかのフルーツとアニス風味が美味しい。以前は撃沈したり残したりして悲しかったものですが持っててよかった「よいとき」! 武器がたいして強くもない内臓ならば防具も大事。
バシャランと発音してました。スペイン側のバスク県隣の県製造。スピノサスモモのアニス風味リキュール のようです。人気リキュールだって。
追記:一般名がpacharanパチャランでbasanaraが商標名のようです。
おまけ
レストランご飯は闘い。
追記:フランについて。その後、フィーンガーフード充実のバル文化のところであるからかバスクスペイン側のお菓子屋さんに、ほんの一口サイズのフランがあってお試しして思い出した。スペインのは卵比率が高いだけじゃなくでんぷん質のお粉が入ってもっちりとういろう風になっているのでした。デザートとして相応サイズをいただくのはやはりきっと重いけど、おやつに一口サイズは美味しいです。
熱々魚介スープとか
食べて散歩して本読むだけのお休み。とはいえ。花壇のチューリップの散りっぷりからして暑いほどの日もあったはずなのだけれど花冷えのようにとにかくとにかく寒い。ホテルの部屋も、もう切り替えちゃったんだ、とかでエアコンはヒーター効かずクーラーしか入らないという。外も中も寒いのだった。寒い国とはされてない国では寒くなったらホテルの部屋が対処のしようもなく寒いのは往々にしてあるのだけれど。唇を紫にしながらお散歩。
テラス席しか空いてなかったけど(当然寒い)熱々で火傷しそうな魚介スープ。ちぎったパン入れていただくのがよいね。エビのミソとエビの殻の出汁が効いている。他にホタルイカのフリットとか。ご機嫌。
例えば 自身がとか、またはお子さんとかが重い病気だったりするけれど「多分他の人が思っているようには大変だったりかわいそうだったりではなくて自分は日々幸せにしている」という話を聞く機会が、私は割と多い気がするのだが、それでもその体験以前の自分の意識が事前に選択するのならきっと殊更には選択はしなかったろうシュチュエーションにあって、そうある今はその今がかけがえのないものになるほどに、深い眠りに入って夢を体験するかのように現実の事象の中に没入していく。とか考えながら熱々スープ食べてるわけじゃないけれど。
デザートはメゾンのリオレ。米の甘いミルク粥を冷やしたもの。シナモン掛け。旨味受容体ができるまで日本人はけっこう苦手だったりする。自分も以前はこれ食べてご機嫌になれるとは思っていなかった。
この時はまばらにあった人影もなくなって、すっかり鉛色の冬の海。
おばんざいばーばんざい 2
店はいっぱいあるけれど滞在してる間にもお気に入りができてそこばかりいくようにもなるとか。そんなことになったらきっとここになりそう。右 :クリームチーズ、酢漬いわしにラズベリージャム。左:自家製ツナのアーティチョーク挟みに緑唐辛子酢漬け(そんなに辛くない)にオリーブとタマネギみじん切りがけ。やっぱりシードル。シーズンは1ー4月。店によって味が違うけど、同じ店でも多分1月と4月で味が違う。
ハシゴはお約束。カウンターだけじゃなくメニューから注文式テーブル席併設の店もある。
とろとろ脂がどんぐり風味の豚さんとか、
あさりご飯とか。
カスタードとアーモンドのタルトとか。焼き直して熱々で出してくれる。おばあちゃんの味風少し粉っぽいカスタードと芳ばしく焦げたアーモンドの油がいただきながら混ざってく。デザートは気にいると別次元開いてさらにまだ入りそうで困る。