Fuji to Higanzakura

料理簡易記録、ときどき、?

ça pousse au-delà de moi  

f:id:higanzakura109:20160911001656j:plain

 5年以上前のレッスン時録音。とある国の地方音楽学校から、音楽院に中途編入で入ってしばらくの頃。

  音楽院の先生は、初めから冷たかった。レッスン時の伴奏専属ピアニストさんは先生がいないときだけ、少し優しかった。この録音時は、先生はちょっと席を外していて、見学の人が一人。

 先生からは既に、コロラトゥーラ(最高音超絶技巧系ソプラノ)になるのでもなかったらアジアの頭蓋骨骨格が声楽曲を西洋人に匹敵するほどの声で歌おうというのはどだい無理なのだ的なことを言われ出していたけれど、この仏人ピアニストさんからは、先生がいないときに「この曲はとてもフランス的だけれど、フランス人もあなたのようには歌えない」と言われた。同情が出発点だったとしても、私の仏語発音が彼女には致命的には聞こえないほどに、そこに同情以上の本気があったことは、ピアノの弾きっぷりからも信じていい気がした。

 この後の1年半は、先生に発音を直されると発声が壊れ、発声を直されると発音が壊れ、きれいに全部が壊れていった。「(アジア声とはいえ)いい声だけはあるわね」と言われた声もわからなくなって最後はなんだか歌詞さえ覚えられなくなってきて音楽院は満期終了。

 これを録ったときに使っていた簡易録音器ももうどこかに失くしてしまった。最近また買ったものは、もう会議録音仕様に特化して倍音をあえて拾わないのか、私の声が壊れているのか。

 今は、今の先生の耳も借りてヒントも沢山もらうけれど、先生から受け身的に何かを教えてもらおうという気持ちではなく。教えー教えられ、の次元以前に、(母)音の響きのような領域があって、自分は今さらながらそこをやっている気がする。耳や身体に恵まれれば、そこから母国語が自然発現していくような領域。ちょっとずつ探せている気もする。やはり全然わからない気がしてぼーっとしたりもする。

 好きだから歌っているという聖域は持っていない。初めの頃はあったはずという感覚もなく、記憶はあるような気もするが偽記憶のようでそのときの幸せなどは感じない。そういう実感を改めて必要とも、感じない。

 ただ、自分の(中の)彼岸に、それがあることを知っている。

 Ça pousse au-delà de moi.

 彼岸に咲くなら、咲いたらよいよ。

 http://dl.dropbox.com/s/95ksndtwzbjfqzi/12.3.23chemin (mp3cut.net).mp3:sound

ちょっと音が大きい。音量半分くらいで。愛の小道。

 

 

 

赤フルーツマリネマチェドニア 白キクラゲ入り

f:id:higanzakura109:20170706160254j:plain

プラムをいただいた。でもちょっと大味。アメチェリ買ってみた。でもちょっと大味。混ぜちゃう。冷凍庫にあったブルーベリーも。レモン汁入れて、好みの甘みを加えまぜ(今回は甘酒とクレームドカシス)、水洗いして適当にちぎって搾った白キクラゲも入れて冷蔵庫放置。一晩とか置いちゃって平気。シロップ系デザートに加えた白キクラゲは、果物よりそっちを選び食べたくなるくらい美味しくなる。キウイとかマスカットみたいな緑果物だと見た目も綺麗なんだけど、赤い果物だと見た目ちょっと怪しいけれど。

いかオクラ丼

お刺身パックイカさんは食べやすい大きさに切り。パックに入ってた大葉もみじん切りし。オクラは生を刻む。わさびをボールの内面に薄く伸ばして、その中で材料を和え薄めのお塩で味付け。ごはんにのせて。おかかをかけて。お醤油ほんの2、3滴。

f:id:higanzakura109:20170706151930j:plain

オクラは生を刻んだのが一番好きかも。イカさんなしでもオクラ刻んだのだけご飯やおそばにのせるんでも。大葉やみょうがなど、夏の薬味が少し入るとうれしい。

 

馬刺のユッケ風

ここいらは馬刺をいただく食文化圏。生誕地はここじゃないけど、そこも馬刺をいただくところだった。でも微妙に違う。豚牛鶏みたいな大シェアじゃない分、地域ごとに処理方法が違うんだろか。生誕地のはトロトロ系、こちらのは水分多めのさっぱり系。

なもので、こちらのさっぱり系のものをちょっとユッケ風に。ゴマ油と塩であえて黄身のせ。塩はきつめが美味しいです。少しお魚出汁が入ってほしくてほんの気持ちだけナンプラー

f:id:higanzakura109:20170703211235j:plain

余談だけれど、生誕地では虫さんもいただきます。育ちは他の土地だけれど、なぜか小学入学前は、親がその地方出身の子はピピッとわかり、ある時その子が「今日のぼくのお弁当は蜂の子なんだよ!」と保母さんに誇らしげに自慢しているのを見て「ああ、やっぱりあの子のお家は○○出身」と自分のピピッに自信をもった次第。ちなみに特にサナギが芳ばしくてよございました。でも蜂の子ごはんの中から蛹だけ選んでほじっていただいたりすると周りの大人から怒られるんだけどね。きっと大人もみんな好きだから。

 

ゴーヤのパイナップル和え

f:id:higanzakura109:20170703213101j:plain

この季節、冷蔵庫にあるとうれしい常備菜。きれいだし。

にがうりは縦半分に切りワタをとってスライサーで薄切り。苦みの苦手な人は、さっとゆがいたり、塩揉みしたり。平気な人はそのまま。塩して少しだけナンプラー。パイナップルは薄く切ってまぜ、冷蔵庫放置。ゴーヤとパイナップル、よく合います。お汁も美味しい。苦いけど。

あさり酒蒸しの(残り)汁フォー

ムール貝の白ワイン蒸しは自分がするものと思っていたらしい家人は、同じ料理ととらえているらしく、自分であさりを買ってきて酒蒸しも作る(写真なし)。美味しうございます。また是非お願いします。

残ったお汁はさすがに塩辛いわけすが、水で伸ばしてナンプラー少し入れて湧かしてスープに。

フォーは今まで別鍋で蒸らし茹でしていたのだけど、スープ鍋の火をとめたところに麺を直接入れて蓋をして蒸らしてみたら、なんだ全然大丈夫。麺が好みの固さになったところで、あった三つ葉をどっさり入れてほんの一瞬湧かし直す。

f:id:higanzakura109:20170703133024j:plain

あさり酒蒸し残り汁の威力は画像では伝わりませんが、これはご機嫌になれます。酒蒸しあさりも器にもどし入れれば少しはそれらしさが伝わる一品に見えかもだけれど、だってそれはほら、もう食べちゃった。

 

塩鮭のアラご飯に炊き込んだん

塩鮭のアラ。脂たっぷりカマの部分。鮮度状態がよかったら焼かないでそのまま炊き込んだ方が脂がまわっておいしいの。

f:id:higanzakura109:20170701205250j:plain

炊けたらサケはとりだして、皮や骨やらとってほぐして混ぜ込む。どしても小骨が残るときあるけど、そこは美味しさに相殺してもらう。

f:id:higanzakura109:20170701205644j:plain

とろっとまわった鮭の脂ごはんって、焼き肉屋さんに行ったときと同じ「野菜食べてる場合じゃなーい!!!」という暴力的幸せ物質が脳内に出るからね。それに身を委ねたく、薬味としての野菜類は入れない。入れないもん。