サメさんのしんぞう le coeur du requin ルクールデュルカン
ピエール•エルメ氏の代表作ケーキのイスファハン。バラとライチの香りのフランボワーズマカロンケーキ。でも私が初めていただいた当時は、そのケーキの名前は、le coeur d'Ispahan (ルクールディスファハン)だった。coeur は英語のheartにあたるから、心とか心臓。
トルコの後宮の中で儚く散った薄幸の美姫、そんな詩情(といえば聞こえがいいがそんな妄想)が口の中で勝手に広がったことに驚いたが、そんな自律的妄想体験がお菓子とはいえ食べ物とくっついて味覚と香りから立ち上がる生生しさ、いただいて消費していることそのこと自体からも来る、気がついたら否応なく参加型にされていた、紋きり型とはいえその妄想物語の悲劇イメージの循環は、心とかハートとかいう抽象では足らぬ。私が食べたものの名は、イスファハンの心臓、です。
で、本日は、サメさんのしんぞう。お魚屋さんが、本日のお刺身イチオシって言うんだも。ショウガをつけておくけどおすすめは塩とごま油でだよ、って。
こ、これはですね、つまり、トロントロンな馬刺です。塩とごま油っ!ありがとう魚屋さん!
どれだけ血臭いんだろうかと勝手に畏れてさっぱり系チマチマ総菜作ったけど。
もやし油なしナムル。つまり塩とお酢で蒸し煮。
きゅうりわかめポン酢。グレープフル−ツ入り。
ちまちま総菜どうでもよござんす。やぁ飲んじゃえ。心臓万歳。