Fuji to Higanzakura

料理簡易記録、ときどき、?

コックオヴァン

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鶏さんの赤ワイン煮。本来は肉質が固めの雄鶏さん(コック)を使うけど、日本だと近いのは親(産経)鶏。でも最近はあまり見かけない。となると、肉質しっかりめは地鶏さん。多分もともとはお安い鶏を美味しく食べる料理法ナンジャと思うのだけど、地鶏になったら高くつくやん、なのだけど、コックオヴァンは美味しいし、たまに地鶏さんの骨つきぶつ切りが少しリーズナブルに出ていたりするので、そんな時にいそいそと。

ブフブルギニョン(牛さんの赤ワイン煮)みたいに、前日からお肉をワインに漬け込んだりしなくていいし、とろみつけたり味を深くしたりするのに、味噌入れてみたりチョコ入れてみたり、赤ワインやクレームドカシスを煮詰めて足したり、バタ足したりなんてことしなくていい。ブフブルギニョンよりだいぶハードルが低い、というかスラッと作る、その方が美味しい。

単純に、塩した鶏さんを焼き付けたのを、ソフリット(炒めたみじん切り野菜類)と一緒に赤ワインと水でコトコト煮込むだけ。塩のみで味調整。目指すのは、肉質と味がしっかり目の鶏さん味を邪魔しない味。なのでソフリットは、普通、玉ねぎ、セロリ、人参なのだけど、野菜の糖質の甘みがあまり前面に出ないよう、赤玉ねぎ、セロリ。人参はあえて使わず蓮根さん。それからソフリット炒める時にベーコンさんを少し入れるのも野菜糖質の甘さが前面に出ない。できればベーコンさんは、ベーコンとしてはベーコンエッグなんかにするには物足りないような、無添加もののあっさりしたやつだと鶏さんと赤ワインスープの邪魔をしない。一緒に煮込む大きめ野菜は、竹の子。コックオヴァンには竹の子、竹の子がいい。昨春ものであろうスーパー水煮市販品だけどいいの。それがいいの。春の気配を感じ出したくなった頃、昨春ものを使い切って新しい春を待つ、牛さんなんかよりちょっと軽めで滋味に美味しい煮込みさん。

ソフリットも煮たあと、濾したりブレンダーにかけたりしないで田舎風にそのままで。蓮根のシャクシャクが残っていて嬉しい。緑の付け合わせはセリの茹でたん。甘みのあるほうれん草じゃなくてここはセリ。セリです。キリっ。

でも蓮根もセリも竹の子も、なかったら他のもので適当にやって、今これをいただくことになった必然を感じる別の物語(料理)を作ってるんだと思ふ。