Fuji to Higanzakura

料理簡易記録、ときどき、?

にんじん•グレフル•キアヌ•決め手はディルのサラダ ついでにアプサン妄想は春菊に堕つも不本意ではなかったなり

f:id:higanzakura109:20161125134842j:plain

 以前住んでいた国に今もいる友人から届いたランチ写真。メニューが以前「きっと好きだと思って」とごちそうしてくれたサラダと、あちらで共にトライした食材、仔牛のレバーと芍薬のシロップを使った仔牛レバーソテーだったので思い出したと送ってくれた。うれしいうれしい。

とても丁寧に日々のご飯を作る方。海外在住の方は皆それなりに食材の使い方とか苦労しながら楽しもうとしているのだから、ブログやってくれんかな、と願ってみたり。今回は許可をいただいたので、私から。本日はサラダの方のご紹介。

にんじんは細かい賽の目切り。瑞々しいうちに、塩、粉末だし(茅の舎使用だがコンソメ等でもいいのではないかとのこと)、酢、蜂蜜、オリーブオイルをなじませるのがポイントだそう。グレープフルーツ、ゆでたキアヌをまぜる。キアヌの湯きりは茶こしが便利。

にんじんとグレープフルーツを繋ぐキアヌがいい感じ。そしてディルが入ると一気におしゃれ味!

ディル等のアニス系の香りというのは、日本人にはあまり馴染みがなくハードルが少し高い気がする。少なくとも私には高かった。一般にディルは魚介と合わせるということが言われているけれどサーモンなどと合わされていてもしばらくは少し苦手で、ディル風味が美味しいと思えるようになるには、私はきゅうりから入ったときに初めて、ディルの香りについてああなるほどと思い、野菜からの方がスムーズじゃないか、と思った覚えあり。その後で魚介と合わせたものも美味しくいただけるようになった。にんじんもいいのだなーということは彼女のこのサラダから。なのでディルは少し苦手という方は、味の完成度も高いのでこのサラダから入るといいかもしれない。そして一度脳が覚えるとなぜか幸せになれる香り。

アニス系というのは、そういえば、アプサン(あまりに中毒性が高く身を持ち崩す人が多いということでフランスで禁止になったお酒。ゴーギャンとかの時代。今はそれよりはマイルドになったアプサンというお酒はまたあるけれど。)の香りでもあるので。

アニス系のお酒は、アプサン、ペルノー(アプサン、ペルノーは二ガヨモギが入っいるという特色が色々な説明では前面に出ているが、私にはアニスの香りの印象が強い。水や氷で白く濁るし。)パスティス、など。夏の夕方、テラスで、おじさまとかが白く濁った液のグラスを傾けていらっしゃったら、多分パスティス

話しは飛ぶが、実はプチトマトは大丈夫だが、普通サイズの赤トマトのウリ臭さが少し苦手。かなり煮詰めたソースは平気だが、緩めのトマトソースのときは、ジンや、マティー二のもう片割れのお酒(名前忘れた。思い出した。ベルモット)が少し入って、トマトのぼよーんとしたウリ風味をキリッと締めてくれるレシピを見つけ、自分みたいに、ほんのわずかにトマト苦手系の人もいることをわかってくれているのね的に感動し、以来自分もやったりしていたのだが。

あるとき、フランスのレストランで、そんなトマトソースにパスティス風味、というのがあった。ウリ系ぼわーんをジンなどで締めるのでなく、ウリ系ぼわーんをアニス系の癖のあるぽわーんでふわーと華やかにしちゃうっていったいなんなのフランス人、と幸せと悔しさに身もだえた覚えあり。

とかそんなことをぐるぐる思い出しながら、自分もこの友人サラダを作ろうと買い出しに言ったら、可動範囲内数件のスーパーにディルがありません!パセリなら間違いはないと思ったけれど、こんなことまで思い出してしまったのに、今更ディル的変則球欲求はパセリでは充たせませんどうしてくれるの、となってディルとは全然違うけれど春菊で。これはこれで美味しかったです。二ガヨモギの遠い親戚と思えばある種の方向性はあたりなんかしらん。でも手に入ったら是非ディルで。ディルで。

f:id:higanzakura109:20161125144740j:plain