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Fuji to Higanzakura

料理簡易記録、もしかしたら、心理臨床

カステラとパンデピスと「パンがなければ。。。」の話し

料理簡易記録

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 作っておりません。お皿にのせてお茶入れましたの図。

 海外在住の日本人の方にも、外国の方にも、ほぼまちがいなく喜ばれたもの。カステラ。ただあるときフランスの人から「先日君にもらった、あのおいしいブリオッシュはなんて言うんだ」と言われて戸惑った。先日あげたものあげたもの、と思い出して、本人がいなかったから人にことづけて渡してもらったカステラのことだと思いいたった。

 フランス人的には、カステラはブリオッシュに分類されるらしいと知った衝撃。そういえばふわふわのスポンジ生地はフランス圏にはない。シロップがしみこみやすい薄くて粗い目のスポンジ(ジェノワース)の上にムースやババロワというパタンは多いがあくまでムースがメイン。シフォンケーキもない。シフォンケーキも何も言わずにあげたらきっと、やはりそれはブリオッシュということになるのでは。

 フランスには、カトルカール(4分の4)という、卵、砂糖、バター、小麦粉4種が同量というパウンドケーキのような大変ポピュラーなお菓子がある。日本人的には、カステラは、ブリオッシュよりはカトルカールの方が明らかに近い気がするのだが、フランス人的には、バターが沢山(ブリオッシュにもバターは入るがブリオッシュであるところを超えて沢山)入っているか入っていないかで、日本人とは異なるケーキ菓子への分かれ目があるのか。カステラにもシフォンケーキにもバターは入っていない。

 カステラをなんと説明すればいいのかと考えた。「日本の甘いブリオッシュだよ」と言えば相手に通じやすいということは把握したが、そう言ってしまったら、自分の中の何かがねじ曲がる。考えているうちにフランスにはパンデピス(pain d'épices)パン・デピス - Wikipediaなるものがあることを思い出した。直訳すれば香辛料パン。シナモン、クローブ、アニス、ジンジャーなどの香辛料がやまほどと蜂蜜がたっぷり入りバターは使っていないしっとりパン。パンと言ってもイーストも入っておらず、私の中ではパンではなくてパンデピスという音のひとくくりでお菓子なので、まぁぴったり。香辛料以外はカステラとまったく同じ。形までも。「パン•デピス ソン ゼピス pain d'épices sans épices 香辛料なし香辛料パン」って言えばいいんだわ、これなら双方ともに納得で通じると天啓を得た気になったが、そもそも香辛料が入ってることが真骨頂の名と物だから却って混乱するだろそれ、と気づく。どうなのか。試す機会なく帰国。

 実はコミュニケーションの基本は、相手のことを考えるな、というところもある。私はあちらでそれが最後までできなかった気がするが。ぐるっとさんざん話しが回ってきたところがそんなことで恐縮だが、つまりパンデピスに似てるかもなんて知らない、ということで「これ、日本の「『お菓子』」と言って しまうのがおそらくなによりで、そうすれば、相手が自ら、自国のお菓子感覚とのずれ認識まで楽しんで、お菓子として楽しんでくれるはず。日本のお菓子なのだから、それでいい。

 パンがなければ。。。の話しに行く前に力尽きてきた。つまりパンとブリオッシュとケーキの境目は、日本人とフランス人とでは色々違っていてよくわからない。「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」というのは、ほんとは「パンがなければブリオッシュを食べればいいじゃない」だったとかと聞いたことがあるが、「パンがなければカステラを食べればいいじゃない」と置き換えて考えてみれば、日本人的にはケーキの訳がやっぱり近いってことになったりするよね、と思う次第。

 ちなみにパンデピスは、私にはたいてい香辛料強すぎ甘過ぎそして大きすぎで買うのは敬遠気味だったが、柑橘系の香りと相性が良い。薄くスライスしたものを低温オーブンで焼 いて気持ちラスク風にしてライムシャーベットと食べたりすると日本人にもおいしい。