読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Fuji to Higanzakura

料理簡易記録、もしかしたら、心理臨床

ラ•トラヴィアータ 道を踏み外した女②

Higanzakura視点

 オペラ、ラ •トラヴィアータ(椿姫)のヴィオレッタは「嗚呼、生きたいわ」「生きる力が湧いてきたわ」と言って最期力尽きる。あの生きたいという思いは、死ぬ前にアルフレードに一目会いたいとは思ってはいても、死ぬことは受け入れていたはずの彼女の、自分の想像を越える思いとの出逢い。死期を前に唯一自分を守っていた絶望という繭は破れて、自分の枠、自分の想像、を越える何かと、ほんの一瞬だけ出逢う。出逢ってすぐに死んでしまうにも関わらず。

f:id:higanzakura109:20160926155214j:plain

 最近の演出では、最期、アルフレードが、ヴィオレッタが死ぬ前にぎりぎり間に合って会いに来る場面、それによって「嗚呼、私生きたい」とヴィオレッタが心の叫びを訴えるその場面で、アルフレード役は舞台に出ずに舞台袖内で歌っていて、舞台では、アルフレードという名の記号が暗い壁に光で映っているだけで、その記号に向かって狂気のヴィオレッタが歌っているというのがあったらしく、観客の涙を誘った、という話しを聞いた。

 

同記事まとめて①〜⑩

ラ•トラヴィアータ記事一覧 ー「料理簡易記録」と「Higanzakura」ができるまで- - Fuji to Higanzakura