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Fuji to Higanzakura

料理簡易記録、もしかしたら、心理臨床

生命がいのちとなるとき 周産期心理臨床セミナー⑥

 体重400グラム。女性の小さな手でも片手にのる。アポトーシス(細胞死)のプロセスがまだ発現しておらずまぶたが切れないので目はまだあかない。保育器の中をじっと見つめた後、「爪があるんですね」と言う親ごさんは多いという。

 解剖学者さんが、死体解剖の際、解剖する対象物という距離をとっていても、手と目だけはその人の人となりが訴えてくる箇所だ、というようなことを言っていた記憶がある。手と目にその人の人となりが感じ取れる感性が人によってあるとかないとかではなく、ただそういうものとして感じられるのだ、というように。

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 人となりが感じられる、というのはこちらの情動が動くということだ。保育器の中の小さなものを前に、爪の存在に気づき情動が動く。そういう情動の動きは、ただそういうものだから、として見守りたく思う。

 そんな情動は一人で抱えられることもある。「爪があるんですね」というふうに、外に表現されることもある。そんなふうにこぼれおちる情動の表現を、受け止めていく「場」であること。

                         

まとめて①から⑧まで

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